お盆とは、祖先の霊を祀る『祖霊祭』

お盆は仏教の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)に基づくもの、とよくいわれます。

行事としては、迎え火を焚いて先祖の霊を家に迎え、花や団子、素麺、果物などを備えてもてなし、送り火を焚いて送り出すというもので、8月13日を迎え盆、16日を送り盆とする地域が多いです。

が、盂蘭盆会が伝わる以前に、日本には盆行事が伝統的な行事として存在しており、民俗学者の柳田国男は、供物をのせる為に用意した盆にちなんで、祖霊祭を「盆」と呼ぶようになったのではないか、と言っています。

 

 

「先祖祭」と「盂蘭盆会」とが習合したものが「お盆」?

 

 

日本で初めて行われた「盂蘭盆会」は、657年斉明天皇の時、と日本書紀に記載されています。

ですから平安時代には貴族の年中行事として定着していたのです。

が、今もなお、様々な地域でお盆行事が行われていることを思うと、祖先の霊を祀るという伝統は、日本古来の、いわば原始的な祖霊信仰から始まっているのではないか、と考えられます。

神社が、それぞれの地域の氏神様を祀っているように、各家で、祖先の霊を祀る。

そこに祖霊信仰、というのか、祖先の霊、あるいは山や川、雷や月などを神として生きてきた日本人の原点があるのではないか、と思われるのです。

 

ちなみに、奈良、京都のお盆行事をこちらで紹介しています。

奈良・京都のお盆

 

 

キュウリの馬にナスの牛

 

キュウリやナスに割り箸を刺して、馬や牛に見立てるのですが、牛といえば牛車。平安時代からの伝統が偲ばれます。

これは祖霊の乗り物で、家に帰るときには、脚の速いキュウリの馬に、旅だつときは、ナスの牛車でゆっくりと、帰るようにと用意されているそうです。

 

迎え火と送り火

 

迎え火は祖霊が迷わずに帰ってくるための目印です。

門の前や、玄関口で麻の茎を乾燥させた麻幹(おがら)を燃やします。

玄関に提灯を掲げて迎え火の代わりとする地域もあります。

今では、提灯の方が多いようですね。

 

送り火を地域全体でおこなうものが京都五山の送り火ですね。

その他、「灯篭流し」『精霊流し」といわれるように、灯篭を流す地域もあります。

 

 

 

盆踊りの意味

 

 

お盆の期間には「盆踊り」が行われます。

先祖の霊のために踊るという風習は、仏教の本場のインドにはなく、日本古来の信仰と結びいたのではないかと考えられます。

悪霊を鎮めるための「念仏踊り」が発展した、と考えることもできます。

根底には、帰ってきた祖霊と共に踊り、感謝や生きる喜びを表すもので、踊りは地域によってさまざま。

阿波踊りのように列を組んで練り歩くもの、櫓の周りを輪になってるものに大別されます。

 

まとめ

 

日本古来の神道は明るいものです。

たとえば、天岩戸の話でも、神々はアマテラスを岩戸から出すために、賑やかに笑い踊ります。

ときにはスサノオのように、暴れます。

自然や祖先を敬いながらも、素朴に、活き活きと生きています。

汚れたものは清められ、怒りや恨みは祀られて、別のよきものに変わり信仰の対象になります。

そのような、自然な信仰が、現在も昔ながらの風習として存在している、と考えると、日本の暮らしにはやはり受け継がれてきた伝統がいきている、とおも思いますね。

 

 

 

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